皆さんこんにちは。

今回のブログでは昨年末に自動車技術統合機構から発表された、車検検査時における車両状態の規定の改正内容についてお知らせします。

車には搭載された制御装置の異常状態を自己診断し、大事に至らぬよう異常がある場合にはメーター内の警告灯を点灯してドライバーに注意を促す機能がほとんど付いています。

ネットニュースなどで既にご承知かもしれませんが、この技術に対応するため、昨年末に車検審査時における車両状態規定が2月から改定されることが発表されました。

「警告灯が点灯又は点滅している自動車について」というタイトルからはじまるその改定内容とは以下のようなものになります。

異常等が生じている自動車については修理後に審査することを明確にするため、「審査時における車両状態」として以下の事項を規定しました。

・平成29年2月以降、これに該当しない受験車両については審査を行いませんので、確実に修理した後に審査コースに持ち込んでいただきますようよろしくお願いいたします。

■「審査時における車両状態」とは次に掲げる全ての要件を満たすものをいいます。


1.空車状態(積載物がない状態)の自動車に運転者1名が乗車した状態であること。

2.原動機の作動中において、運転者が運転席に着席した状態で容易に識別できる位置に備える次に掲げるテルテール(メーター内の警告灯の事)の識別表示が継続して点灯又は点滅していない状態であること。

 

3.原動機の作動中において、運転席の運転者に警報するブザー類が継続して吹鳴していない状態であること。

4.受験車両に装着しているタイヤは応急用スペアタイヤでないこと。


今回の規定改正に伴い、エアバック警告、ブレーキ警告、ABS警告、エンジン警告が点灯又は点滅している車両は車検審査を受けることができないという事になります。

実際のところどうなのか?

2月からということで実際に車検に行ったスタッフに聞いてみたところ・・・

外観検査の最後にエンジンをかけ、メーター内の警告灯点灯を検査員がチェックするそうです。

そして、メーター内の警告灯が赤(危険)、黄色(注意)の色に関係なくどれか1つでも点灯していればアウトとなり、車検ラインから漏れなく外され車検審査を受けられないとのことでした。

昨今の自動車業界では危険察知・危険回避・自動運転技術の導入が本格化しています。

こうした技術はドライバーの不注意等による交通事故を未然に防ぐために開発・導入されていますが、それはシステムが正常に機能して初めて成立するものです。

そのシステムが正常であるか?の判断は車検場の検査では判断することができないという背景から、自動車に搭載されるシステムの自己診断機能である警告灯をチェックする規定が追加されたのでしょう。

警告灯点灯チェックが車検検査内容に加わることで、最新テクノロジーを搭載する自動車のドライバー(保有者)に対し、システム維持のための点検・メンテナンスの重要性を認識させる狙いがあるのかも知れませんね。

話は少し脇道に逸れますが、欧米では昔から部品が故障・誤動作した際でも安全性を維持できるようにという「機能安全」という文化が根付いた自動車造りがなされてきました。

その背景からでしょうか?BMWをはじめとするヨーロッパ車にはE30当時の時代から既にオンボードコンピューターによる自己診断機能や専用テスターによる診断機能が搭載されています。

この「機能安全」に関する国際規格がISO26262になるのですが、ここには自動車部品を構成するセンサー、制御装置(ECU)、アクチュエーター(モーター)に至るシステム全体に含まれる電気・電子機器などのハードウェアとソフトウェアが対象に含まれ、自動車のライフサイクル全体という広範囲で定義づけされてるそうで、もともとそういう考えで車造りをしてきたBMWも当然適用し実践している訳です。

BMWが定期的に点検・メンテナンスが必要な車であるというのも、こうした「機能安全」という文化の中で造られた車だからなんでしょう。

重大な事故に至る前にシステムの異常を教えてくれる警告灯の重要性をあらためて考えさせられますね。

皆さんも愛車であるBMWの「機能安全」の意識を高め、車検時だけではなく定期的な点検メンテナンスを心掛け、安心・安全なBMWライフを満喫してくださいね!!

 

それでは皆さん、また次回のブログでお会いしましょう!!